【実践】梅雨の干物はピチットシートで冷蔵庫に任せる!失敗から生まれた検証レポート

Fishing

こんにちは。ゆじろです。

先日、新鮮な旬のイサキを追い求めて南伊豆・石廊崎の沖磯に足を延ばした。

そこで狙い通り美味しそうなイサキを釣り上げ、帰宅後に干物を作ろうとしたところ、梅雨の曇天と湿気にやられて全滅という大失敗をしでかしてしまう。

その悔しさから「梅雨でも安心・安全・安定的に干物を作る方法」を調べたところ、たどり着いたのがピチットシートであった。

今回は、このシートを実際に試してみた結果をレポートする。

前回の失敗、何がいけなかったのか

先日の南伊豆釣行では、25~30㎝の食べごろのイサキを10匹釣ることができた。

釣行の詳細記事はこちら

👉【前回記事リンク:【梅雨イサキ】南伊豆・石廊崎の磯でフカセ釣り!旬の釣果と干物失敗談

釣行後、疲れた身体に鞭を打ちながら魚を捌き、刺身で食べた残りを干物にしようと腹開きにして塩水に漬け込んだ。

翌日の朝からベランダに吊るし、一昼夜外干した後、さらに乾燥させようと冷蔵庫に収めて仕事へ出かけた。

夜、帰宅してドアを開けた瞬間——部屋中に生ごみのような臭いが充満していた。
原因はすぐにわかった。冷蔵庫に入れていたイサキである。
後から振り返ると、失敗の原因は4つあった。

  • いつも通り塩分控えめの5%塩水に漬け込んだ(水分が十分に抜けない)
  • 曇天で無風状態かつ高い湿度の中での外干しで、十分に乾燥できていなかった
  • 一昼夜の長時間、過酷な環境に干し続けた
  • 乾燥不足のまま身と身を重ねて冷蔵庫に入れていた

これらが重なり、腐敗が一気に進んでしまったようだ。
悔しくて悔しくて仕方がなかったが、全て廃棄するほかなかった。

ピチットシートという選択肢

そこで「梅雨でも干物を作る方法」を調べていたところ、ピチットシートというものに辿り着いた。

ピチットシートとは、食材を包むだけで浸透圧の力を使って余分な水分を吸い取ってくれるシートである。
冷蔵庫に入れておくだけで干物が仕上がるため、天気や季節、湿度に一切左右されないのが最大のメリットだ。
今回の失敗でいえば、ベランダに干す工程がまるごと不要になる。
雨であろうが、湿度が高かろうが関係ない。

それともう一つ、今回の失敗とは関係はないが、この時期にベランダで干物を干すと、ニオイにつられてハエが寄ってくる。以前より衛生面で気になっていた。これも解消されることになる。

ピチットシートは料理好きの間では以前からよく知られた存在らしく、調べていくうちに「これは使えそうだ」と確信した。

さっそく、近所のスーパーを見て回ったが、どこにも置いてなかった。
そこで今回は楽天で購入することにした。

ピチットシートには吸水力の違いにより3種類展開されている。

  • マイルド(低吸収)
  • レギュラー(高吸収)
  • スーパー(超高吸収)

干物を作るには、レギュラーもしくはスーパーを選ぶと良いようだが、今回はレギュラーで試してみることとした。レギュラーであれば、刺身などにも使用することができそうである。

ここまでメリットばかり書いてきたが、難点も。
それは少々値段が高いということ。

天日干しや一夜干しであれば費用がかからない点と比べると痛いが、腐らせて全て廃棄することを思えば、安い買い物とも思える。
安心・安全を買うということであれば納得もできる。

後ほど、天日干しとのコスト比較もしてみたいと思う。

ピチットシートの使い方

使い方はシンプルである。

まず魚を腹開きまたは背開きにして下処理をする。
塩水(水1リットルに対して塩50g程度・濃度約5%)に1〜2時間漬け込む。
漬け込みが終わったら、キッチンペーパーで水気をしっかり拭き取る。
その後、ピチットシートで魚を包み、冷蔵庫へ。

仕上がりの目安はメーカーによると一夜干しで8〜12時間程度とのこと。
翌朝取り出せばちょうど良い仕上がりになるようだ。

外干しと違い、途中で裏返す必要もなく、ただ冷蔵庫に入れておくだけというのが何とも楽であり、衛生的である。

検証開始!今回の食材は釣りたてのアジ

検証用に使用した中アジ(25㎝前後)。釣りあげて6時間も経っていない鮮度の良い状態

検証の食材は、検証日当日に大津沖で釣ってきた新鮮な中アジ(25㎝前後)である。
前回のイサキは失敗の苦い記憶しかない。
今回は釣ったその場で、脳締め・血抜きをし、氷を入れた海水に冷やして持ち帰った。
検体としての鮮度は申し分ない。

下処理と塩水漬け

腹開きにして血合いを洗い、5%の塩水に1時間半漬け込んだ。

塩水に漬け込んだ後は、キッチンペーパーでしっかりと水気を取った

前回の失敗を踏まえ、漬け込み後はキッチンペーパーで水気を徹底的に拭き取る
ここで手を抜くとシートの吸水力を無駄遣いすることになる。

前回、この季節に対し塩分濃度が低かったのも失敗の原因であった。
今回、濃度をどうするか悩んだが、ピチットシートの浸透圧原理による吸水性に期待し、前回と同様の5%ととした。

ピチットシートで包んで、あとは冷蔵庫に任せる

シート1枚で中アジの開きを2枚包むことができた。
身が直接重ならないように交互にし、しっかりと身をシートで包むようにして冷蔵庫にて保存。

前回の失敗原因の一つ「身と身を重ねた」を確実に潰す。
外干しと違って、天気も湿度もハエも関係ない。
あとは寝て待つだけである。

12時間後——シートを剥がした瞬間

翌日、冷蔵庫から出してチェックしてみる。

ピチットシートに包んで半日経った状態。シートには水分が溜まっていた

シート全体に吸水されているのがわかる。
これだけでも、魚に含まれている多くの水分が吸われているのがよくわかる。

左:ピチットシートで包んだ状態のアジ                右:ラップだけした状態のアジ

右側はラップをしただけの比較対象用である。
見た目には分かりづらいが、ラップだけのものは表面に水気が残っており、指で触ると水分が感じられる。
一方のピチットシートに包んだものは、指先にくっつくような感触があり弾力もある、まさに外干しと似たような状態であった。


実食は3日後に行う予定だったため、マジック鮮度真空パック機で真空包装し、冷凍庫にて保管することにした。

👉【前回記事リンク:自作干物の冷凍焼け対策|マジック鮮度真空パック機

実食レビュー:外干しの干物と比べてどうか

3日後、真空包装で冷凍庫に眠らせておいたピチットシートのアジ。
いよいよ実食である。

冷凍庫から取り出し、冷蔵庫でゆっくりと解凍したものを、グリルでじっくりと焼いていく。

焼き上がりの見た目は

表面の水分がしっかり抜けているおかげか、表面は飴色に香ばしく色が付きつつも、身からは水分が蒸発するような感じでふっくらと焼き上がった
天日干しにありがちな「焼くと周辺の皮目が縮んで硬くなりすぎる」こともなく、身にほどよく水分が残っている感じだ。

気になる味は

一口食べてみる。
結論から言えば、外干しの干物と遜色ない仕上がりであった。
塩分濃度5%・漬け込み1時間半という設定は、この時期のアジにちょうど良かったようだ。
塩が立ちすぎることもなく、素材の旨みを引き立てるちょうど良い塩加減
身をかむと、水分が適度に抜けたことで旨みがぎゅっと凝縮されているのがわかる。
それでいてパサつきはなく、ふっくらとした食感も残っている。

比較用にラップだけで保存したアジも焼いてみたが、見た目も白く、水っぽさが残り、旨みも今ひとつ。
並べて食べると、その差は歴然であった。やはり干物は美味い!

天気に左右されず、この味なら文句なし

正直なところ、「冷蔵庫に入れておくだけで、本当にちゃんとした干物になるのか?」と半信半疑だった。
しかし結果は期待以上。
外干しのように天気やハエを気にする必要もなく、それでいて外干しと変わらない味に仕上がる。

梅雨どきや、真夏の外干しがためらわれる季節でも、これなら安心して干物づくりが楽しめる。
前回のイサキの失敗が嘘のような、大満足の仕上がりであった。

天日干しとのコスト比較

メリットは十分に分かった。
では気になるコスト面はどうなのか?である。
前述の通り、ピチットシートの唯一と言っていい難点が「値段」である。
天日干し・一夜干しがほぼ無料でできることを思うと、ここは正直に比較しておきたい。

ざっくり試算してみる

今回購入したレギュラー(複数枚入り)を例に、1枚あたりのコストを出してみる。

方法1回あたりの費用その他
天日干し(外干し)0円天気・湿度に左右される/ハエなど衛生面/腐敗するリスクあり
ピチットシート1枚あたり75円ほど包んで冷蔵庫に入れるだけ/天候は無関係/衛生的

筆者は32枚入りレギュラーを約2,400円で購入したため、シート1枚あたり75円であった。
シート1枚でアジ2枚を包めたので、魚1枚あたりに換算すると37.5円ほどのコストである。
干物1枚に数十円とコストの面だけを考えると、たしかに安くはないかもしれない。

それでも「使える」と思える理由

ただ、前回のイサキでの大失敗の痛すぎる経験がある。
せっかく苦労して食べごろのイサキを持ち帰ったが、乾燥不足と腐敗ですべて廃棄した。
釣行と帰宅後の処理の労力、魚への申し訳なさ、そして何より部屋に充満したあの臭い——。
あの大失敗を思えば、1枚数十円で「天候に左右されず・衛生的に・確実に」干物が作れるのは、むしろ安い買い物だとも思える。

失敗しない安心をお金で買う。
そう考えれば、十分に納得できるコストだと感じた。

まとめ:梅雨の干物づくりにピチットシートは「アリ」

前回のイサキ全滅という苦い失敗から始まった、今回のピチットシート検証。
結論として、梅雨や高湿度の季節に干物を作るなら、ピチットシートは十分「アリ」という結果になった。

改めて、今回感じたメリットとデメリットを整理しておく。

メリット

  • 天気・湿度・季節に一切左右されない
  • 冷蔵庫に入れるだけで、途中で裏返す手間もなし
  • ハエが寄らず、衛生的
  • 乾燥不足による失敗・腐敗のリスクが激減
  • 仕上がりは外干しの干物と遜色なし

デメリット

  • 天日干しと比べると、シート代のコストがかかる

こんな人におすすめ

  • 梅雨や真夏で、外干しをためらっている人
  • マンション住まいなど集合住宅住まいで、干す環境・衛生面が気になる人
  • 一度、干物づくりで失敗した経験がある人
  • 釣った魚を、確実においしく仕上げたい人

天日干しには天日干しの良さがあるが、「失敗したくない」「季節を問わず作りたい」なら、ピチットシートという選択肢は間違いなく心強い。

釣り好き・魚好きなら、一度試してみる価値は十分にあると思うので、ぜひ試してもらいたい。