「釣った魚は高くつく」釣りとレジャー24種を損益分析してみた

Fishing

こんにちは、ゆじろです。

釣った魚はスーパーで買うより高いのか。

今回は自分の釣りを原価計算し、さらに「釣りはレジャーとして高いのか安いのか」をポジショニングマップで検証してみた。
釣りという趣味、他のレジャーにはない特徴が見えてきた。

アジ1匹あたりの原価を計算したら、どうなのか。

まずは正直に原価計算からやってみた。
以前の横須賀・午前アジ船で50匹釣った釣行を題材としたい。

【内部リンク:【横須賀・アジ釣り】午前船で50匹! https://f-labora.fun/fishing-3/ 】

この日の実費はこんな内訳だった。

費目金額
船代6,500円
交通費(往復)2,000円
仕掛け・氷など1,000円
合計9,500円

50匹釣れたので、単純平均するとアジ1匹あたり190円。

一方、近所のスーパーの鮮魚コーナーに並ぶアジは、サイズにもよるが鮮魚で1匹50〜150円ほど。
つまり釣ったアジは店で買う倍近い値段である。
この日は50匹という上出来の釣果でこの数字だから、渋い日なら1匹1,000円コースも普通にあり得る。

さらにスーパーのアジと違って、釣ったアジは自分で捌かなければならない。
この労働はもちろん無給である。
仮に自分の労働時給を1,500円とし、3時間かけて処理したと仮定すると、原価はさらに4,500円上乗せとなる。
つまり1匹あたり280円まで高騰する。同じようにスーパーの処理された刺身だと1匹あたり300~500円程度で売られている。
つまり丸のアジでは負けるが、刺身にするとお得になる結果である。
釣れた魚の数や処理の程度で結果が変わるため、一概に損得が判断できないというのが結論である。

でも待ってほしい。「勘定科目」を間違えている

そもそもこの比較は正しいだろうか。わたしはこれは勘定科目の付け間違いだと思っている。

釣りの支出を「食材費」で考えると、スーパーとの比較で負ける。
実際に釣り人が買っているのは魚ではなく、朝マズメの海の空気、竿先に出るアタリ、竿を通して伝わる魚の引き味、そう、ワクワク感(体験)を買っている。

つまり比べるべきは同じ「体験するレジャー」だろう。
比較する相手を変えて再計算する(交通費は除く)。

レジャー出費楽しむ時間時間単価
ライブ・コンサート10,000円2.5時間4,000円/時間
日帰りスノボ15,000円6時間2,500円/時間
ゴルフ(コース)15,000円6時間2,500円/時間
アジ船釣り7,500円4時間(実釣時間)1,875円/時間

各レジャーの出費は、それぞれで幅があるのは承知の上、平均的な金額で比較している。
こうして見ると、非日常体験を買うタイプのレジャーの中では、釣りは決して悪くはない結果である。

では、レジャー費として見たとき、釣りは数ある遊びの中でどんな立ち位置なのか。
釣りにも種類が多数ある。ここからが今回の本題である。

レジャー24種を1枚のマップにしてみた

2軸のポジショニングマップを作った。
プロットしたのは釣り11種+その他のレジャー13種の計24種だ。

軸の定義を先に説明しておく。

  • 横軸:1回あたりの出費(ランニングコストのみ。道具などの初期投資は含めない)
  • 縦軸:始めるハードル(技術・準備・体力といった、お金では解決できない障壁)
  • プロットの単位:「週末の遊び1回分」

お金の話はすべて横軸に寄せ、縦軸は「金で買えない壁」だけを測る。
これがこのマップのルールとする。なお各点の位置は私の独断と偏見にてプロットしたので、異論はあると思う。

マップは4つのゾーンに分かれる。

  • 左下「気軽ゾーン」:安くて簡単。映画、カラオケ、サウナの住処
  • 右下「お金で解決ゾーン」:お金さえ払えば誰でも楽しめる。テーマパーク、日帰り温泉
  • 左上「技術投資型ゾーン」:安いが腕が要る。日帰り登山、ロードバイク
  • 右上「沼ゾーン」:高くて難しい。それでも人が集まる不思議な領域。代表はゴルフ

ちなみにトローリングは1回数万〜十数万円と横軸を突き抜けたため、「圏外」とした。
あれは一般的なレジャーからはかけ離れているためである。

マップを見て気づいた。釣りだけが全ゾーンにいる

このマップを描いてみて、面白い見方ができる。
ほとんどのレジャーは1つのゾーンから動けないのに、釣りは釣種を変えるだけで4つのゾーンすべてに顔を出しているのだ。

気軽ゾーンの釣り:海釣り施設・サビキ・ちょい投げ

釣りへの入口は、実は映画並みに安くて簡単。
柵とレンタル竿とスタッフが揃った海釣り施設なら、手ぶらで行っても成立する。
入場料は大人1,000円前後、レンタル竿とエサを付けても3,000円あればお釣りが来る。
堤防のサビキやちょい投げキスも、仕掛けはセット売りでエサ代は数百円である。

マップ上でこの3つは、映画・カラオケ・ボウリングと同じ一角に住んでいる。
「釣り=金がかかる趣味」というイメージは、少なくとも入口に関しては誤解であることがわかる。

技術投資型ゾーンの釣り:チニング・渓流・鮎

ルアーでクロダイを狙うチニングは、一度タックルを揃えれば1回あたりの出費はほとんどかからない。

【内部リンク:【チニング入門】初心者が揃えた道具一式 https://f-labora.fun/chinning-beginner-gear/ 】

渓流釣りもこのゾーンに入る。
遊漁券が1回5,000円足らずと出費は控えめだが、入渓点探しや川歩きの装備と体力という「金で買えない壁」がしっかり立ちはだかる。

そしてこのゾーンの頂点が鮎の友釣り。
生きたオトリ鮎を操る技術のハードルは高く、マップの縦軸の一番上に位置する。
ロードバイクや登山と同じで、腕を上げるほど面白くなるタイプの遊びである。
ランニングコストは安いのに長く遊べる、投資対効果の高いゾーンと言える。

お金で解決ゾーン寄りの釣り:乗合船(アジ釣り)

乗合船(アジ釣り)は「お金でハードルを買う」釣りだ。
レンタルタックルがあり、ポイントは船長が探してくれる。
1万円弱を払えば、初心者でもそれなりの釣果に導いてもらえる。
テーマパークの仲間と言われると釣り人としては複雑だが、構造は近い。

沼ゾーンの釣り:磯フカセ・ジギング・手漕ぎボート

そして沼である。南伊豆の磯フカセは、渡船代にコマセ代、磯装備一式、さらに危険度も高く最上級。フカセの仕掛け操作は一朝一夕では身につかず、お金と技術の両方を求められるゾーンと言える。

【内部リンク:【梅雨イサキ】南伊豆・石廊崎の磯でフカセ釣り https://f-labora.fun/irozaki-tobine-isaki-mejina/ 】

ジギングの青物釣りも同類で、船代に加えて、一日しゃくり続ける体力が要る。
手漕ぎボートは船代こそ安いものの、「自力で漕ぐ体力」と「ポイントを自分で探す判断力」という、コストをたくさん支払う釣りと言える。

【内部リンク:【金沢八景・ボートキス釣り】赤潮のような濁り水を攻略! https://f-labora.fun/kanazawahakkei-boat-kiss/ 】

この領域はゴルフである。
ただし決定的な違いがひとつある。ゴルフは沼ゾーンから一歩も動けないが、釣りは沼にも住めるし、疲れたら気軽ゾーンに帰ることもできる。
このゾーンをまたいで動ける自由度が、釣りの面白さでもある。

結論:釣りは「レジャーのフルラインアップ」と言える

冒頭の問い「釣りって結局お得なの?」に、いま答えるならこうだ。

「どの釣りをやるか次第。入口は映画より安く、出口は圏外まである」

そして自分の釣り遍歴をこのマップに重ねてみると、面白いことが分かった。
堤防のサビキから始まり、乗合船でアジを覚え、手漕ぎボートに乗り出し、ついに磯へ。
きれいに左下から右上=沼へ向かって一直線に移動してきたのである。
最近チニングの道具を揃えたのは、技術投資型ゾーンへの進出と言える。

出費もハードルも上がる一方なのに、なぜか満足度も上がっていく。
値上がりする商品を喜んで買い続ける消費者は、経済学の教科書には出てこない。
損益分析では説明のつかないこの現象こそ、趣味というものの正体と捉えることもできる。

これから釣りを始めたい人は、まず左下の気軽ゾーンから入るのがおすすめだ。
海釣り施設かサビキ釣りなら、失敗してもダメージは映画1本分。
そこから自分がどのゾーンへ移動していくか??これも楽しみの一つと言える。

それでは、また次の釣行記で。