夏の釣りターゲットになる魚10選|初心者にもおすすめ

Fishing

7月に入り夏本番。海水温がぐんと上がるこの季節は、一年でいちばん釣りものが豊富になるシーズンだ。
「せっかくの休日、何を狙えばいいのか」と迷っている人も多いのではないだろうか。
夏は多彩なターゲットが狙える。

今回は、初心者でも狙いやすい夏の代表ターゲットを10魚種、釣り方と食べ方のポイントとあわせて紹介する。
道具立てのハードルが低い順ではなく、堤防・砂浜・船とフィールド横断で選んだので、自分のスタイルに合う一匹を見つけてほしい。

夏の海は、ごちそうの宝庫である。

1. シロギス(キス)|砂浜の女王

夏の投げ釣りの主役である。
砂浜や堤防からの「ちょい投げ」で手軽に狙え、日中でも釣れるのが初心者にはありがたい。
タックルはコンパクトロッドに小型スピニングリール、オモリ5号前後の仕掛けにジャリメを付けるだけ。
ゆっくり引きずってくると、プルプルッと明確なアタリが手元に伝わる。
この魚信は一度味わうとクセになる。
群れに当たれば数釣りも可能で、20cmを超える「ヒジタタキ」と呼ばれる良型が混じれば上出来だ。釣りたてのキスの天ぷらは、店では決して味わえないふわふわの食感である。

2. マアジ|サビキ釣りの大定番

朝夕のまずめ時に堤防でサビキ釣りをすれば、初心者でも数釣りが楽しめる。
コマセカゴにアミエビを詰めて足元に落とすだけという手軽さで、ファミリーフィッシングの王道だ。一方で、夜の常夜灯まわりをジグヘッドとワームで狙う「アジング」に発展させれば、ゲーム性の高い大人の遊びになる。
同じ魚とは思えないほど奥が深い。アジフライ、なめろう、刺身と食べ方の幅広さはナンバーワン。
釣って楽しく、食べて美味い。アジは釣りの原点である。

3. マゴチ|夏が旬の「照りゴチ」

太陽が照りつける真夏に旬を迎えることから「照りゴチ」と呼ばれる江戸前の高級魚である。
夏はシロギスやハゼを追って岸近くの砂地まで接岸するため、堤防やサーフから十分に射程圏内だ。
ワームやメタルジグをボトム中心に探るルアー釣りのほか、釣ったばかりのキスやハゼを泳がせる「デリバリー釣法」も強力である。
50cm級になると引きは強烈で、座布団のような平たい魚体が水面に見えた瞬間の興奮は忘れがたい。薄造りにすればフグに例えられる上品な白身で、湯引きの皮も酒肴として絶品だ。

4. タチウオ|夕まずめの銀色ハンター

夏の夕方から夜にかけて、岸近くまで回遊してくる人気ターゲットである。
堤防からはダートアクションで誘うワインド釣法や、キビナゴを巻いたテンヤ釣りが定番。
時合いに当たれば連発するが、その時合いが短いのもタチウオらしさだ。
ギラリと光る刀身のような魚体は迫力満点で、鋭い歯には要注意。
ワイヤーリーダーとフィッシュグリップは必携である。
指3本、4本と太さで呼ぶのが釣り人の流儀で、指4本を超えれば堤防では大物だ。
塩焼きや炙り刺しは絶品である。
仕事帰りの2時間で非日常を味わえるのがタチウオ釣りだ。

5. スズキ(シーバス)|ルアー釣りの登竜門

河口や港湾部で一年中狙えるが、実は夏が旬の魚である。
洗いにすれば上品な脂が際立つ。
夜の常夜灯まわりや橋脚の明暗部が狙い目で、9フィート前後のロッドとミノーがあれば始められるため、ルアーフィッシング入門に最適だ。
ボイルと呼ばれる捕食音が響く夜の静かな港で、ドンとひったくるようなバイトが出る。
エラ洗いと呼ばれる豪快なジャンプは、何度見ても心臓に悪いくらい興奮する。80cmを超える「ランカー」は、多くの釣り人が追い続ける夢である。

6. クロダイ(チヌ)|堤防の黒い策士

夏の堤防の壁際には、イガイやカニを捕食するクロダイが付いている。
エサを壁際に静かに落とし込む「ヘチ釣り・落とし込み」は、竿とリールと数個のガン玉というシンプルな道具立てで年無し(50cm超)クラスの大物まで狙える、夏ならではの釣りである。
目印がスッと走る瞬間の緊張感は他の釣りでは味わえない。
警戒心の強い相手との駆け引きは、まさに大人の知恵比べだ。近年はポッパーで水面を狙う「チニング」も人気で、夏の風物詩になりつつある。

7. マダコ|夏の湾内の風物詩

初夏から盛夏にかけての東京湾はマダコの当たりシーズンで、堤防からタコエギで手軽に狙える。
底をズル引きし、岩に張り付かれる前に一気に引き剥がすのがコツだ。
ずっしりと重い「乗り」は魚のアタリとはまったく違う感覚で、これがたまらない。
ただしタコは漁業権の対象になっている地域が多いので、釣行前に必ずルールを確認してほしい。
釣ったタコのタコ飯や唐揚げは、家族からの株が確実に上がる一品である。

8. イサキ|船釣りデビューにおすすめ

梅雨から夏にかけての船釣りの大定番である。
コマセを撒いて仕掛けを同調させる釣りで、群れに当たれば一荷(2匹掛け)も珍しくない。
棚取りさえ覚えれば初心者でも釣果が出やすく、船宿のレクチャーも手厚いため、船デビューには最適なターゲットだ。半日船なら体力的な負担も少ない。
梅雨時の「梅雨イサキ」は産卵前で脂がのっており、塩焼きにすれば「磯の鯛」の異名に恥じない美味さである。
卵と白子の煮付けも捨てがたい。

9. シイラ|夏限定の青い弾丸

黒潮とともにやってくる、夏限定の回遊魚である。
相模湾では夏のキャスティングゲームの主役で、ペンシルベイトを高速で引くと、金色と青のド派手な魚体が水面を割って飛び出してくる。
1メートル級の引きは強烈そのもので、ドラグが悲鳴を上げ、腕がパンパンになる。
完全に体力勝負の釣りだが、この魚の走りを一度体験すると、夏が待ち遠しくなる。
ハワイでは「マヒマヒ」と呼ばれる食用魚で、フライやムニエルにすると美味い。

10. マハゼ|夏の終わりの癒やし系

夏後半から秋にかけて、河口や運河で手軽に数釣りできる下町の定番である。
のべ竿一本に玉ウキ仕掛け、エサは青イソメがあれば十分。
足場のよい護岸で竿を出せるため、子どもや釣り未経験者の「はじめての一匹」に最適だ。
江戸時代から続くハゼ釣り文化は、それだけ日本人の暮らしに寄り添ってきた証拠だろう。
数が釣れたらまとめて天ぷらにする。小気味よいアタリと江戸前の伝統の味、どちらも夏の終わりのご褒美である。

夏の釣りは「暑さ対策」もタックルのうち

夏の釣りで何より大切なのが熱中症対策である。釣行は朝夕の涼しい時間帯を中心に組み立て、帽子・飲み物・冷感タオルは必ず用意したい。
日中に釣る場合は、日陰のない堤防で数時間過ごすことの過酷さを甘く見てはいけない。
ライフジャケットの着用も当然の前提だ。安全に帰ってくるまでが釣りである。

今日からできる3つのアクション

1つ目、潮見表アプリで次の休日の潮回りをチェックすること。
大潮・中潮の日は魚の活性が上がりやすい。
2つ目、近所の釣具店で「今、何が釣れているか」を聞いてみること。
最新でリアルな釣果情報は、ネットよりも釣具店が一番持っている。
3つ目、まずは朝まずめの2時間だけ、サビキかちょい投げで竿を出してみること。
完璧な準備を目指すより、ハードルを下げて回数を重ねるほうが、結果的に早く上達する。

まとめ

夏はシロギスやアジのような手軽なターゲットから、マゴチ・タチウオ・シイラのような本格ターゲットまで、選択肢が一年でもっとも広がる季節である。
大切なのは、背伸びをせず自分の体力と時間に合った釣りから始めることだ。
まずは身近な堤防の一匹から、夏の海を楽しんでほしい。
釣った魚を食卓に並べれば、休日の充実感は倍増する。今年の夏が、最高の釣りシーズンになることを願っている。